匿名加工情報について
匿名加工情報は,特定の個人を識別できないように個人情報を加工したもので,改正個人情報保護法から導入されました。匿名加工情報の第三者提供は,個人情報の本人から同意なくおこなうことができます。データの流れは下図の通りです。
匿名加工情報作成の方法はまだ確立されていない部分が多く困難です。「ツールで一発で匿名加工情報に!」みたいな話は絶対おかしいので注意しましょう。
現在,もっともわかりやすく具体的な匿名加工情報についての資料は,「個人情報保護委員会事務局レポート: 匿名加工情報―パーソナルデータの利活用促進と消費者の信頼性確保の両立に向けて」です。
一般的なデータの匿名化については,以下の文献が参考になります。個人情報保護法でいう匿名加工でどのように用いるかは今後の課題でしょう。
- Khaled El Emam, Luk Arbuckle. 木村映善監訳 (2015) 「データ匿名化手法―ヘルスデータ事例に学ぶ個人情報保護」 オライリー・ジャパン https://www.amazon.co.jp/dp/4873117240/
- 中川裕志 (2016) 「プライバシー保護入門: 法制度と数理的基礎」 勁草書房 http://www.keisoshobo.co.jp/book/b215007.html
- 佐久間淳 (2016) 「データ解析におけるプライバシー保護」 講談社 http://bookclub.kodansha.co.jp/product?isbn=9784061529199
また,統計的開示制御(statistical disclosure control)という統計学の一分野があり,これも匿名加工と同じことをおこないます。
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